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これは浄土や、そう、わしは浄土を描くんや。 澤田瞳子 『若冲』

こんばんわ
本日も20時に更新できました。たまきです。

日曜日は映画のひとときです。
本日は番外編で小説
若冲」です。


目次

若冲

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内容紹介

京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門ー伊藤若冲は、
妻を亡くしてからひたすら絵に打ち込み、やがて独自の境地を極めた。
若冲を姉の仇と憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執や、
池大雅与謝蕪村円山応挙、谷文晁らとの交流、
また当時の政治的背景から若冲の画業の秘密に迫る入魂の時代長篇。

感想

伊藤若冲は、京都の青物問屋の家に生まれ、
40歳ごろに家督を譲り、亡くなるまで絵を描いた絵師。
一時期に全く絵を描かない時期があった。
というぐらいしか知りませんでした。

物語では鬼気迫る絵に秘められた若冲の想いを、
妹お志乃や、若冲の目線で語られます。
セリフの京都弁が心地よく、とても読みやすい文章です。
イントネーションがつかめないと、何を話しているか分からないと思います。
私の場合は関西弁でカバーしながら読みすすめ、
京都弁を話す登場人物たちが生きているように感じられました。


商売より絵を描いてばかりで、家督を譲るときには波乱もありました。
その波乱は人を狂わせる恨みや執念となり、
何十年もたってから追い込むという時限爆弾のような恐怖につながります。
ひとりの女性の死が、若冲に重い影を落とし、
家督を譲ったあとはさらに黙々と絵に打ち込みます。
最高級の画材で丹念に描かれたのは30幅の「動植綵絵(どうしょく さいえ)」です。

京の絵師として大人気になるということもなく、
寺の壁画や屏風の依頼、水墨画の依頼と、細々と生計を立てながら絵に打ち込みます。
お志乃の結婚では、長年お手伝いをしていたのにあっさりと見送ります。
若冲は人とは違う感性で、コミュ障なりにひょうひょうと暮らしているようです。

錦市場の閉鎖の危機や、天明の大火と歴史の中で若冲たちはどう向かい合ったのでしょうか。
不仲の母が亡くなったときは「果蔬涅槃図(かそねはんず)」を完成させます。
お釈迦様を大根、弟子たちを野菜に見立てた涅槃図は、青物問屋の母にふさわしいものです。

絵、家督、家族、兄弟、妻、そして義理の弟。
若冲の作品は残りましたが、残っていないものが小説で創造されていきました。

伊藤若冲

伊藤若冲とは誰だと思われる方も多いと思います。
東京パラリンピック開会式で登場した、
デコトラ側面の絵を描いた人物と言えば分かるでしょうか。

2時間34分ごろから登場します。
www.youtube.com

2016年(平成28年)の生誕300年に、京都で展覧会があり行ってました。

細見美術館
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相国寺承天閣美術館では庭も素敵でした。
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www.shokoku-ji.jp

澤田瞳子先生

澤田瞳子さんの本を読むのは今回が初めてです。
以前からどんな作家さんなのか気になってたのですが、直木賞受賞を機に読みました。

books.bunshun.jp

直木賞を受賞した「星落ちて、なお」も文庫になったら読みたいです。
ハードカバーは通勤時に読みにくいので、発売されるまでもう少し待ちます。